沖縄に存在した「タピオカ工場」って知ってた?

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「へぇー。飲むの?」

沖縄タイムスには、それ以降、タピオカの記事はほぼありません。
 時折、おばあさんが伝えるレシピコーナーにタピオカを使ったようかんやカステラや天ぷらなどが登場していました。

 1979年に出版された本「おばあさんが伝える味」には、タピオカについて「戦時中の思い出がたんとある。昔はああだった、いや、こうだったとタピオカを囲めば話はつきません」との記述があったり、「タピオカを知らない若い人たちが多くなりました」とおばあさんたちが話しています。

実は、今回の取材にあたって、沖縄県の南部農業改良普及センターにタピオカについて聞いてみたんですが、資料がほとんど残っていないとのことでした。今回は、沖縄タイムスの記事に残っていた「タピオカ」の記述や数少ない史料、当時を知る人たちを頼りました。

50年以上、那覇市の公設市場そばで野菜の卸販売をしている小禄青果店の小禄悦子さん(70代)は「50年前くらいまでは家でも食べてたかなぁ。おばさんがみそ汁に団子として入れたり、もちに入れたりして食べていたよ」と振り返ります。

那覇市の小禄青果店

 「今はほとんど作られていない。年に2回くらいしか流通しないね。外国人が買っていく。ブラジルとかでは主食だからね」

 いま、タピオカがブームになっていることについては「へぇー。飲むの? 全然分からない」と笑い飛ばされてしまいました。

【本稿は沖縄タイムスのウェブマガジンWコラム記事より転載しました】

<参考文献>

1)永田淳嗣.沖縄サトウキビ作の長期動態.農畜産業振興機構,2012  https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000474.html

2)山口隆久,小林一,糸原義人.砂 糖 産 業 にお け る 現 状 と課 題 -日 米砂糖輸入保護政策の考察.-農林業問題研究, 2002 https://www.jstage.jst.go.jp/article/arfe1965/37/4/37_4_381/_pdf

3)川平成雄,戦後(1945-71)沖縄県の貿易構造の変化―松田賀孝著 『戦後沖縄社会経済史研究』に鑑みて―1990-03, 琉球大学経済研究(39): 147-183  http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12000/8710/1/No39p147.pdf

4)大城 肇.復帰特別措置にみる日琉貿易制度の比較.1996-03,琉球大学経済研究(51): 215-250 http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12000/108/1/oshiro_h05.pdf

5)「東京税関」が作成した特集「タピオカ輸入」東京税関, 2019 http://www.customs.go.jp/tokyo/content/toku3101.pdf

6)宜野座村ホームページ,宜野座村の歴史 http://www.vill.ginoza.okinawa.jp/ginoza-history

7)沖縄タイムス.おばあさんが伝える味.沖縄タイムス社,1979

8)安里 龍, 友利 啓子, 東盛 キヨ子, 新城 澄枝, 金城 須美子, 山本 茂.沖縄の食生活年代史.1995,民族衛生(61):219-236



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