コロナ禍の沖縄~「夜の街」で働く女性の告白

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客の半数は沖縄県外から 感染しないか不安な毎日

 インタビューは、国の緊急事態宣言が解除された5月21日と、沖縄県独自の緊急事態宣言が出された後の8月4日にさせてもらった。

ことし1月から従業員の間で、新型コロナは話題になっていました。感染力が強いから怖いし危ないねって。沖縄は観光立県だから、クルーズ船も那覇のターミナルに世界中から入ってきて、観光客も多くて、感染者はいっぱい出そうだなと思っていました。

 3月に入って、沖縄もだんだん感染者が増えてました。でも、一緒にお酒を飲む仕事で、マスクをしてはやれない。感染する可能性も高い。

 お客さんの半分は、沖縄県外からの出張者です。沖縄では、東京に出張に行った人が感染したり、本土から来た人と接触して感染したりしていたころで、自分でできることは、出勤を減らすことしかありませんでした。

 週4日の出勤を3日に変えることから始めました。レギュラー(週に4~6日出勤するキャストのこと)として働いているので、簡単に休めないし、生活もあるから、一気に減らすことは難しかったです。ただ、出勤を減らしている女の子が、私以外にも出てきていました。

 4月1日のVIPルームでの接客は、東京からの出張者でした。怖いなと思いつつ、「俺は感染者じゃないから大丈夫だよ」と酔った客が鼻にかみついてきたんです。「濃厚接触・・・うわ、私もコロナに感染したかもしれない」と思いました。

美鈴さん

減っていく貯金、久々の昼職

 出勤の日を抑えながら過ごしていたんですけど、4月11日に緊急事態宣言が出て、店は休業することになりました。新型コロナに感染するリスクがなくなったことは安心したけど、生活の心配をしなければならなくなった。

 収入がなくても、家賃、生活費は減っていきます。

 貯金を切り崩しても、入ってくるお金がないのに、減っていく残高に、メンタルが苦しくなっていきました。先が見通せない不安もあるから、「やばい」。マスクをしてでも働かないと焦りが一気にきました。パソコンが得意で、家に居てもやれる仕事ができればいいけど、そんな技術はないから。働けるところを探しました。

 オンライン面接をして、契約社員としてコールセンターで働けることになりました。今までも、昼間も時々働いていたけど、久しぶりの昼の仕事は、それはそれで大変です。

 全国的に外出自粛の影響もあるのか、みんながイライラしているように感じられました。夜の仕事のお客さんは、楽しむために来ているから、怒る人もほとんどいない。夜の方がにこやかだったなと思い返したりしました。

 私は早めに動いて昼間の仕事に就けたけど、私のように夜の仕事をした人が殺到したのか、後輩たちは昼の面接にみんな落ちて、働くことができずに過ごしていました。

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