東京の大学生が“沖縄ヘイト”問題を考える【下】

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<米倉ゼミの学生は「沖縄ヘイトとジャーナリズム」をテーマに、2017年夏に沖縄でフィールドワークを行い、秋以降は在京の新聞・テレビで働くジャーナリストらを対象にヒアリングを実施した。こうした体験を通して学生たちが直面した現実とは? 日本大学の米倉律准教授の報告、後半です。>

自分達もヘイト(?)の対象に

 

辺野古で新基地反対運動の現場を目にしたゼミ生達は、さらに興味深い体験をしている。反対運動の現場では琉球新報の記者が取材中で、その記者はゼミ生達にも話を聞いた。そして、その模様を琉球新報辺野古・ヘリパッド取材班のTwitterで次のように発信した。

915日午後0時過ぎ、シュワブ前に、沖縄に合宿中の日大法学部新聞学科の米倉律(よねくら・りつ)ゼミの3年生11人が訪れ、座り込みをする市民らに話を聞きました。」

「米倉ゼミの3年生は、ニュース女子問題をきっかけに『沖縄ヘイト』について考えようと沖縄で合宿しました。ゼミ長の女性(20)は『東京で伝えられる放送だけでは分からない。生活の問題、命の問題だと感じた』と話していました。」

すると、このツイートが数多くのリプライ・書き込みの対象となった。そしてその多くが、ゼミ生達の活動を嘲笑し、教育・研究の名を借りた「洗脳だ」などと批判する内容のものであった。例えば、下記のようなものである。

 

「ニュース女子の報道がいかに正しいかを確かめる授業になりましたね」

「この学生たち情弱なんですね。基地問題は賛否両論の意見を聞くべきです。プロ市民に洗脳されないことを祈ります。」

「反対派のバカ達のおかげでニュース女子の存在知ったw 見たら面白いのなw今では毎週見てるw

「一方通行の話に洗脳されて、フェイクを垂れ流すんやろな~」

「教育は教育者による洗脳そのもの」

「こんな政治活動してたらまともに就職できなくなるのに…」

「可哀想に洗脳されてるなw

 

このように「沖縄ヘイト」について調査・研究している学生達が、皮肉にも自らある種の「ヘイト」の対象になるという体験をしたのである。ゼミ生達は「こうやって勝手に話をでっち上げられちゃうんですね、信じられない」「ネット上でこういう書き込みをする人達って本当にテキトーなんですね」といった感想を漏らしていた。

自らヘイトの対象になるというのはある意味で得難い体験である。ヘイトがどのように生まれるのか、そしてヘイトされる側がどんな思いを味わうのかを身をもって知ることになった。これも「現場」に足を運んだことの成果と言えるかもしれない。

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