東京の大学生が“沖縄ヘイト”問題を考える【上】

この記事の執筆者

大学生による「沖縄ヘイト」研究

 

ここ数年のジャーナリズムの現場やジャーナリズム研究において大きな議論の対象となってきたものとして「フェイクニュース」「ポスト・トゥルース」が挙げられる。海外ではアメリカの「トランプ現象」が、また国内では「沖縄ヘイト」がその代表的事例であろう。

 

ジャーナリズムやメディアを扱う新聞学科に所属する私のゼミナールでは、今年度の3年生のテーマを「沖縄ヘイトとジャーナリズム」とした。2017年夏には56日のフィールドワークを沖縄で実施、秋以降には在京の新聞・テレビで働くジャーナリストらを対象にヒアリングを実施した。そして12月までにその成果をまとめ、幾度かプレゼンする機会を持った。

ゼミ生達が行った調査・研究の概要は次のようなものである。

 

①関連番組の視聴と内容分析(東京MXテレビ『ニュース女子#91「沖縄基地反対派はいま」』、毎日放送『MBSドキュメンタリー映像’17「沖縄さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」』、NHK『クローズアップ現代+「沖縄復帰45年 深まる本土との“溝”」』など)

②沖縄でのフィールドワーク(辺野古、嘉数高台公園、沖縄国際大学など)

③沖縄のメディアでのヒアリング(沖縄タイムス、琉球新報、琉球放送、NHK沖縄放送局)

④在京メディアでのヒアリング(朝日新聞、東京新聞、NHKTBS

 

この調査・研究の一連のプロセスを通じて、ふだん沖縄から物理的にも精神的にも遠く離れた場所(東京)で大学生活を送る学生達が、沖縄の問題について学ぶことの意義や可能性、そして困難さなどについて多くのことを考えさせられることになった。

この記事の執筆者