日米政府は意義受け止めを
嘆願書への回答は、署名が10万筆を超えた時点から、原則60日以内に届く仕組みになっている。
トランプ氏は2016年の大統領選で「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」とのスローガンを使用した。そのことを意識してか、カジワラさんは嘆願書で、トランプ氏に「民主主義を優先して工事の停止を命じ、米国が真に尊敬に値する偉大な国だと示してほしい(America is indeed an honorable and GREAT nation)」と、「GREAT」を大文字にして訴えた。
ただトランプ氏はオバマ前大統領が始めた請願サイトに批判的なことで知られ、署名が規定数に達しても政府見解を回答しない対応が続いている。
これまでホワイトハウスが回答をしたのは7件のみ。署名が最も多かったのはトランプ氏の確定申告書類の公開を求める請願で、110万筆以上を集めた。だが、ホワイトハウスからの回答は「この請願利用規約の範囲外」と答えるに止まった。
こうしたことから、辺野古の土砂投入ストップを求める嘆願書に対し、ホワイトハウスから前向きな回答が寄せられる可能性は、残念ながら低いとみられる。
ただ短期間で目標を突破し、30日間で約20万筆の署名を達成した意義は大きい。日米両政府は、その事実を重く受け止める必要がある。
国内外の著名人がSNSで発信したことで、若者など辺野古の問題に関心を寄せていなかった人にも目を向けさせ、考えるきっかけとさせたことも、今後へとつながるだろう。
1月7日に首都ワシントンのホワイトハウス前で集会を開いたカジワラさんは、集会後の記者会見でこう語っている。「たとえ、われわれが求めているような回答を得られなくても決して諦めない」
辺野古で新基地建設に反対する市民たちの合言葉「勝つ方法は、諦めないこと」にも通じる。カジワラさんは「平和的で非暴力、民主的なやり方で沖縄の海を守っていく」と話している。