ただしそれは当たり前のことが当たり前に行く社会であれば。
9月27日、午後3時スタート。
北陸中日新聞、北國新聞、共同通信(金沢から2時間かけてはるばる珠洲へ)
が取材に来ていた。
始まった議会。だんだん緊張してくる。
総務教育常任委員長が6月から今日に至るまでの流れを説明した上で、審議結果を「趣旨採択」と言う。
「当たり前のことだから意見書を提出するまでもない」というような意見も出たらしい。
本当にその通り。激しく共感。
ただしそれは当たり前のことが当たり前に行く社会であれば。
委員長の報告が終わったあと採決が行われ、趣旨採択、決定。
またも宙ぶらりんの結果。採択でも不採択でもない趣旨採択。
ポケットからケータイを出して調べる。
「願意は妥当であるが、実現性の面で確信が持てない場合に、
不採択とすることもできないとして採られる決定方法」だそう。
聞くことは聞いたから帰ろうかと思うが、みんな立つ気配がない。立ちづらくて何となく座ったままいる。
暇つぶしに、受付でもらった資料を開く。あれ、最後の見開きページ、なにこれ。
「沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を使用しないよう求める意見書について」。
提出者は、話したこともない議員、賛成者の議員4人も同様、あまり知らない人。
右にはその意見書案がある。文は私たちが出したものじゃない。
でも「記」の下はほとんど同じ。
むしろ、遺骨収集を日本政府が主体となって実施というような請願が加わっている。
議場からまた「沖縄戦戦没者・・・」と言う言葉が聞こえる。
知らない名前の議員が壇上に立つ。
私たちが出した請願書の話ではなく、議会議案の話をしているらしい。
頭がついていかないまま採決が行われ、「意義なし!」と言う声が議員席から聞こえ、意見書提出が決まった。
閉会式が行われ、9月議会は終了した。
記者の取材を受ける。
「よかった」が最初に出た言葉だったと思う。
でも正直どういうことだったのか、まだ理解しきれていなかった。
帰り際、事務局の前にあるエレベーターへ乗ろうと思ったら事務局長が出てきて
「よかったですね!」と声をかけてくれた。
趣旨採択になると議会はそれ以上なにもしない場合もある。でも今回の意見書はそうすると無意味だ。
だから議員さんたちが辺野古や、埋め立てなどの言葉を抜いた意見書を作成し、それを提出する運びになったと。
「この議会も進歩しました」と話してくれた。
結局、人だった
ロビーに行くと三盃議員と父が話していた。議員、今まで見たことがないくらい嬉しそうなお顔だった。
もちろんこれで問題が解決したわけではない。でも、とりあえず、喜びたかった。
結果に関わらず、わたしにはよかったことがいっぱいある。
その一番は
「結局、人だった」
と知れたこと。
わたしはわたしであるように、
三盃議員も自民党員である前に三盃さんという人だった。
主語を小さく。
わたしはわたしと
あなたはあなた。
目の前にいるその人と納得のいく関係であること。
この半年、なによりも自分自身が本当に良い学びをいただいた。
それは本当に、本当にたくさんの人が関わってくれたから。
関わってくださった全てのあなたに心から感謝いたします。
この先もまだ長そうですが、どうかたくさんのあなたを頼らせてください。