国に気を使わなくてもいい
沖縄防衛局は2月13日夜、全市民を対象にした石垣島駐屯地(仮称)建設工事に伴う住民説明会を市民会館大ホールで開催した。
「説明になっていない」「ちゃんと答えろ」「無責任だ」「ごまかすな」「めちゃくちゃだ」「住民を無視している」|。環境影響評価(環境アセス)や住民避難方法をめぐり、会場から怒号が飛び交う。
駐屯地の建設計画は、県の改正環境影響評価条例の対象となる面積となっているが、本年度に着工する事業については経過措置して対象外となっているため、防衛局は現況調査のみを実施している。
これに対し、地下水などの水源や自然環境への影響を懸念する住民は「国がアセス逃れの着工をするのか」と不満を爆発させ、有事の際の住民避難について具体的な方法が示されなかったことにも「住民はどこに逃げればいいのか」と反発を強めたのだ。
説明会終了後、賛成派の市民が反対派の市民に罵声を浴びせる一幕もあった。
その会場に金城代表もいた。
「怒ったり、怒鳴ったりするなど、説明会はピリピリした雰囲気だった。この状態は着工しても変わらないと思う。住民間の亀裂をどう修復するのか、防衛省はどう考えているのだろう。僕たちはこれを解消する手段として住民投票を考えている」。
防衛局は住民投票に関する質問に「地方自治のことなのでコメントは差し控えたい」と答えていた。
「住民投票に反対する市議は、防衛や安全保障は国の専権事項なので住民投票で賛否を問うのはそぐわないと言っているが、国のほうは地方自治を尊重している。だから国に気を使わなくてもいいと感じた。僕たちは地方自治のことだけをやっていればいいんだ」