「辺野古見直し」を政治の回路に乗せる~玉城デニー知事インタビュー【前編】

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「辺野古」埋め立ての是非を問う県民投票で7割を超える「反対」の民意が示された。その3日後の227日夜、玉城デニー知事が1時間超にわたるインタビューで政権への不信や沖縄の将来について語った。

 

心からの「反対」の票

 

「反対票は私が知事選で獲得させていただいた票数をはるかに超えました。ウチナーンチュの思いがしっかり出た結果だと思います」

玉城知事はまず、投票率52.48%、埋め立て反対72.15%という数字をこう総括した。

  「反対」は、全41市町村で最多だった。

「普天間飛行場のある宜野湾市でも、移設先とされる名護市でも反対の票が上回りました。宜野湾市民も決して『辺野古に移せばいい』なんて思っていない。苦しみを押し付けあうことはもうやめようという、心からの反対の票が投じられている」

地元紙などの出口調査では、すべての年代で7割以上が「反対」に投票したという結果も出た。玉城知事は20代、30代よりも10代で「反対」が多かったことにも着目する。

「若者たちが将来を考え、私たちの海を埋め立てられたくないという声を示した勇気は、非常に大きな価値と意義があると思います。これからいろんな場面で力になってくれるでしょう」

一方で、「賛成」は19.10%、「どちらでもない」が8.75%だった。こうした意思も大事に受け止めるべきだと玉城知事は言う。

「沖縄では基地で働く人も少なくありません。そうした人が身近にいることによる基地との親和性もあります。辺野古に関しては、『いろいろ考えたけど進めたほうがいい』という消極的賛成の方々もいると思います」

米軍基地をテーマにした沖縄県の県民投票は1996年に続き2度目だ。玉城知事は言う。

「こうした沖縄の複雑な状況こそが、政治の怠慢によって基地問題が解決できていない証左だということを強く言いたい」

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