執筆者 渡辺 豪 ジャーナリスト 1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図』『日本はなぜ米軍をもてなすのか』など、共著に『普天間・辺野古 歪められた二〇年』など。 渡辺 豪の記事一覧 基地 政治 社会 「辺野古」の完成を悲観する米シンクタンク 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が11月に発表した報告書で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設として名護市辺野古で建設が進む新基地について、「完成する可能性は低い」と分析していることが分かった。要 […] 渡辺 豪 2020.12.02 ライフスタイル 基地 文化 遺骨収集と辺野古埋め立て 辺野古の新基地建設に向け、防衛省沖縄防衛局が沖縄県に提出した工事の設計変更承認申請の内容が、思わぬ波紋を広げている。埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から採取することが新たに盛り込まれたからだ。 「戦 […] 渡辺 豪 2020.10.15 ライフスタイル 基地 社会 忘れてはならない「原点」とは~普天間・辺野古問題 沖縄の女児が3人の米軍人に暴行された1995年9月の「少女暴行事件」。事件の衝撃は県民の怒りに火をつけ、日米安保体制を足元から揺るがした。あれから25年。浮き彫りになった課題は置き去りにされたままだ。 「尊厳を守れなかっ […] 渡辺 豪 2020.09.04 ライフスタイル 文化 社会 戦死の「虚飾」を拒む視座 【おすすめ3点】 ■死者たちの戦後誌(北村毅、御茶の水書房) 「沖縄の戦跡」という場から戦死者たちの「戦後」を考察。 ■沖縄戦を知る事典(吉浜忍・林博史・吉川由紀編、吉川弘文館) 非体験世代の研究者らが沖縄戦のキーワード […] 渡辺 豪 2020.08.24 基地 政治 社会 【対談】長島昭久議員×屋良朝博議員~「辺野古見直し」動くのは今だ 陸上イージスの配備計画中止が可能なら、政府がこだわる「辺野古」はどうなのか。見直しを提言した長島昭久氏(自民)と沖縄選出の屋良朝博氏(国民)の両衆院議員に対談してもらった。 「縮小案」で普天間返還は可能か ―河野太郎防衛 […] 渡辺 豪 2020.08.22 基地 政治 社会 自民党内の「辺野古見直し論」は何を意味するのか 政府が秋田、山口両県への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画停止を決めたことなどをきっかけに、安倍政権が沖縄で推進している辺野古新基地建設にも疑問の目が向けられている。背景には、新型コロナウイルス対策に巨 […] 渡辺 豪 2020.06.29 基地 政治 経済 コロナ禍の沖縄~「危機の本質」を見極める 押し寄せる新型コロナウイルスの脅威と、国の辺野古新基地建設工事のゴリ押し、さらには中国公船の尖閣への領海侵犯……。沖縄は幾重もの荒波に同時に見舞われている。こんなときだからこそ、「危機の本質」を見失ってはならない。 「観 […] 渡辺 豪 2020.05.11 基地 政治 文化 危機管理と民主主義 【おすすめ3点】 ■モモトVOL39(編集工房東洋企画) 特集「民主主義について」で沖縄の自治や人権を多角的に議論。 ■沖縄発 新しい提案(同実行委編、ボーダーインク) 沖縄内外の市民らが「辺野古」の民主的解決を提案。 […] 渡辺 豪 2020.04.28 基地 政治 環境 血税の垂れ流しが続く 沖縄の辺野古新基地の完成が2030年代以降にずれ込むことを国が認めた。今年もこう着状態が続くのは必至。無謀な政策の末路は依然不透明だ。 「普天間飛行場の一日も早い危険性除去という『辺野古』の根拠が失われた」 辺野古新基地 […] 渡辺 豪 2020.01.25 基地 政治 社会 かすむ本土の当事者意識~沖縄の全国キャラバンへの視点 「沖縄の民意」を踏まえて米軍基地問題の議論を深めてもらおうと、沖縄県は玉城デニー知事が全国を巡る「トークキャラバン」を続けている。全国の人に沖縄の声を届け、「自分ごと」として考えてもらいたい―。この呼び掛けに、「本土」の […] 渡辺 豪 2020.01.13 基地 政治 文化 「片時も用心を怠ってはならない」 【おすすめ三点】 ■首里城を救った男(野々村孝男著、ニライ社) 昭和初期の首里城大修理に尽力した関係者の功績をたどる ■首里城への坂道(与那原恵著、筑摩書房・中公文庫) 戦後の首里城復元に多大な貢献を果たした鎌倉芳太郎の […] 渡辺 豪 2019.12.29 政治 文化 経済 首里城復元は「国主導」でいいのか 正殿などが焼失した首里城の復元に向けて、政府は年度内をめどに工程表の策定を目指すことを決めた。「国主導にならないか」。地元・沖縄の人々には複雑な感情もある。 「政府として、復元に向けて責任を持って取り組む」 首里城復元に […] 渡辺 豪 2019.12.22 ライフスタイル 文化 社会 首里城と鎌倉芳太郎 一夜にして正殿などが焼失した沖縄の首里城。その文化的価値に注目し、保存や復元にかつて尽力したのは沖縄の人たちだけではなかった。首里城が「人類共通の遺産」であることをあらためてかみしめたい。 ◇ ◇ ◇ 東京・神保 […] 渡辺 豪 2019.11.11 ライフスタイル 文化 社会 首里城が体現していた社会の彩り 週刊誌の取材で首都圏在住の発達障害の人たちと知り合った。「困ることは?」と問うと、「時間を守るのが苦手で…」と答える人が目立った。 その瞬間、20年前の沖縄での記憶がよみがえった。 『毎日新聞』から『沖縄タイムス』に転職 […] 渡辺 豪 2019.11.11 ライフスタイル 文化 社会 首里城復元の30年~タスキは引き継がれた 火災で正殿などが焼失した沖縄の首里城。長年にわたる復元事業にかかわった、日本の木造建築の権威の思いに耳を傾けた。 ◇ ◇ ◇ 1972年の日本復帰を直前に控えた沖縄・首里。琉球大学(当時)の敷地内の一角に掘られた2本 […] 渡辺 豪 2019.11.02 基地 政治 社会 敗戦を忘却する「本土」の視座 ~日米安保と東アジア 【おすすめ3点】 ■沖縄の米軍基地を「本土」で引き取る!―市民からの提案(同編集委員会編、コモンズ) 2015年以降、全国10カ所に広がった「沖縄の米軍基地を本土で引き取ろう」という運動の経緯や思いをメンバーらが執筆。 […] 渡辺 豪 2019.08.24 基地 政治 環境 有害物質の流出は「沖縄の問題」なのか? 「この湧き水は飲めません」 こんな看板が4月以降、沖縄県内の米軍基地周辺7カ所のわき水に相次いで設置された。町内3カ所に設置した嘉手納町の担当者はこう吐露する。 「住民の不安が高まる中、設置せざるを得ませんでした」 なぜ […] 渡辺 豪 2019.06.29 ライフスタイル 基地 文化 沖縄戦に向き合う~牛島貞満さんのまなざし~ 運命に手繰り寄せられるように沖縄戦と向き合ってきた人がいる。東京都在住の小学校教諭、牛島貞満さん(65)だ。日本陸軍第32軍(沖縄守備軍)の牛島満司令官の孫として、沖縄戦の実相を探り、後世に語り継ぐ責務を自身に課している […] 渡辺 豪 2019.06.26 ライフスタイル 文化 社会 地続きの社会へのまなざし~境界を破る表現の力 【おすすめ3点】 ■沖縄ラプソディ(石戸諭、ニューズウィーク日本版2月26日号) 2月の県民投票を直前に控えた沖縄で、「賛否」を越えた声に耳を傾けた。 ■辺野古バスに乗って(仲村渠ハツ、自費出版) 「文学賞に応募した落選 […] 渡辺 豪 2019.04.30 基地 政治 環境 北欧に「SACWO」のヒントあり 沖縄県の玉城デニー知事が設置を求めている、日米政府に沖縄を加えた協議機関「SACWO」。実現可能性を探る上でヒントになる海外の事例がある。 「東京とワシントン、那覇の三者間合意が国際協定として締結されているイメージで […] 渡辺 豪 2019.04.16 基地 政治 社会 辺野古新基地が不要な理由~小沢一郎代表インタビュー 玉城デニー知事が衆院議員時代に行動を共にした「政治の師」であり、現在は野党共闘を主導する自由党の小沢一郎代表に、政権交代を見据えた「普天間・辺野古」の戦略などを聞いた。 故翁長雄志知事の「遺言」で、後継者として玉城デ […] 渡辺 豪 2019.04.10 基地 政治 社会 沖縄主導の新たな一手 「辺野古ノー」を示した県民投票後、二度目となる首相との面談に臨んだ玉城デニー知事。新協議機関「SACWO」設置に向け、沖縄主導で新たな一手を繰り出す準備も整えている。 「県民の反発はますます膨らむのではないかと危惧し […] 渡辺 豪 2019.03.27 基地 政治 社会 「普天間の危険性放置」の政治責任~SACWO設置に向けて 沖縄県の玉城デニー知事が安倍晋三首相との面談で提案した「SACO with沖縄」(SACWO)。政権は設置に否定的だが、日米の専門家からはポスト安倍の「辺野古見直し」の布石となる可能性も見据え、実現を後押しする声が上がっ […] 渡辺 豪 2019.03.13 基地 政治 社会 「使えない辺野古」がなぜ「唯一の解決策」なのか 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への代替施設建設に伴う埋め立ての是非をめぐる県民投票で7割超の「反対」の民意が示された後も、政府は普天間の危険性除去には「辺野古が唯一の解決策」と呪文のように繰り返すばかり […] 渡辺 豪 2019.03.11 基地 政治 社会 「辺野古見直し」を政治の回路に乗せる~玉城デニー知事インタビュー【後編】 県民投票の結果は「辺野古見直し」の後ろ盾となる大きな一歩だが、一里塚に過ぎないのも事実だ。そうした中、SACO(沖縄における日米特別行動委員会、96年に普天間飛行場の代替施設を「沖縄本島東海岸沖」に建設することなどを最終 […] 渡辺 豪 2019.03.06 基地 政治 社会 「辺野古見直し」を政治の回路に乗せる~玉城デニー知事インタビュー【前編】 「辺野古」埋め立ての是非を問う県民投票で7割を超える「反対」の民意が示された。その3日後の2月27日夜、玉城デニー知事が1時間超にわたるインタビューで政権への不信や沖縄の将来について語った。 心からの「反対 […] 渡辺 豪 2019.03.06 基地 政治 社会 県民投票「無視」でも安倍政権が背負う重荷 沖縄県名護市の辺野古新基地建設に伴う埋め立ての是非を問う沖縄県民投票が2月24日に迫る。「反対」が多数に上るのは必至の情勢だが、政府は投票結果にかかわらず工事を進める方針だ。しかし実際には、法的にも技術的にも政治的にも難 […] 渡辺 豪 2019.02.20 ライフスタイル 基地 政治 民意と政治の乖離をどう埋めるか~「辺野古」が日本社会に問うもの 米軍普天間飛行場の返還をめぐる問題は2018年12月、国が移設先とする名護市辺野古の沿岸部への土砂投入に着手。沖縄県の玉城デニー知事が求める「対話」を踏みにじり工事が進む。米ホワイトハウスの請願サイト署名で国際的注目も集 […] 渡辺 豪 2019.01.18 基地 文化 社会 分断乗り越える処方箋~「新しい提案」書評 「普天間・辺野古」の問題が、これほど長期にわたって深刻な政治・社会的ダメージを及ぼすと予測した政治家や官僚は日米にいただろうか。 沖縄の保守県政は米軍普天間飛行場の「県内移設」を許容する民意の醸成が極めて困難であることを […] 渡辺 豪 2019.01.13 ライフスタイル 文化 社会 医者が半分、ユタも半分 沖縄には古来、霊的能力を持つとされる「ユタ」と呼ばれる人たちがいる。その内実は宗教か、呪術か、それともメンタルケアなのか──。 「これまで20人ぐらいのユタにかかりましたが、私の感覚では当たる確率は3割か4割ではない […] 渡辺 豪 2019.01.06