玉城デニー知事が衆院議員時代に行動を共にした「政治の師」であり、現在は野党共闘を主導する自由党の小沢一郎代表に、政権交代を見据えた「普天間・辺野古」の戦略などを聞いた。
故翁長雄志知事の「遺言」で、後継者として玉城デニー知事に白羽の矢が立ったのは昨年8月。当時、沖縄3区選出の自由党衆院議員だった玉城知事が、知事選立候補を表明する直前に相談したのは、「政治の師」と仰ぐ党の小沢一郎代表だった。
「翁長さんの遺志を継いで出馬する以上は勝たなければならない」。小沢代表はそう助言。「オール沖縄」を構成する各党の支持を取り付けた時点で、あとは知名度とキャラクターの魅力で「勝てる」との手応えはあったという。小沢代表は当時の思いをこう振り返る。
「沖縄の革新政党は強いが、保守の浮動票を取りこまないと知事選には勝てない。それができる立場の人物はデニー君しかいない。翁長さんが後継指名したのも無理はない」
就任から半年を迎えた玉城知事を「誠心誠意、全力でやっている」と評価する。しかし、現政権が交渉相手では「辺野古」に対する「ゼロ回答」は続くと見る。
「安倍政権ではダメ。政権を変える以外にない。ただ、沖縄の人たちにトラウマがあるのもわかります」
2009年の政権交代で誕生した民主党の鳩山由紀夫首相は、普天間飛行場の移設先として「最低でも県外」を掲げたものの挫折。結局、沖縄県内の「辺野古」に回帰した。鳩山政権の失敗の本質はどこにあったのか。当時、閣外にいた小沢代表は「詳細な経緯は知らない」と断った上でこう話す。
「自民党政権同様、民主党政権でも米政府との間で真の普天間問題の解決に向けた対話ができなかった、ということだと思います」