米の本音は「辺野古不要」
小沢代表は今、野党共闘を主導している。政権交代が実現すれば、民主党政権も自民党政権も破れなかった「壁」を突破できるのか。
「同じ過ちは繰り返しません。もう一度、政権交代すれば辺野古は停止し、普天間も返してもらう。それには国内だけで議論していてもダメ。米政府と話し合わないとらちがあきません」
小沢代表が米国との協議によって「解決可能」と見通すのは、米軍内部の本音を耳にしているからだという。
そもそも米政府が、地元の反対を押し切り、日米同盟全体に打撃となりかねない政治的リスクを負ってまで、普天間代替施設としての要件を満たさない滑走路の空港をつくろうなんて思うわけがない―。辺野古新基地に対して、小沢代表はかねてそんな疑問を抱いていたという。
「軍の強い要求があって、米政府も何も言えないのかなと思っていたら、政府も軍も辺野古に新しい基地など要求していない、と内部関係者から聞いたので驚きました。現政権下では公式に認めないでしょうが、米軍内部も『辺野古新基地は不要』というのが本音です」
その上で、小沢代表は玉城知事にこうアドバイスする。
「何らかの形で米政府の本音を探る手立てを考えるべきだと思います。米政府中枢とつながらないといけない」
しかし、米国内部で不要論が出ているなら、政府はなぜ新基地建設を止められないのか。
「利権以外の何者でもない、と考えています。原発はもうやめた方がいいと専門家を含む多くの人が発言していますが、止められないのと同じ構図です」
沖縄県は、例のない深度の軟弱地盤改良などで、総事業費が2兆5500億円以上に膨らむと試算している。
「埋め立て用土砂の確保や地盤改良でコストが膨らめば業者だけでなく、官僚も防衛省の予算増額を求める根拠になるため都合がいいのです。まさに政官産学が密接に絡む利権。結局、負担を負わされるのは国民です」