ヤンキーの「パシリ」になった社会学者【上】

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ヤンキーとは?

 打越さんは、ヤンキーと過ごしてきた10年を書いたからこそ、タイトルに「ヤンキー」という言葉を選んだ。しかし、本書には、ヤンキーの定義について言及された一文は出てこない。読み終わるまで、これまで自分が描いてきたヤンキー像とは何か、ヤンキーとは何かを心で対話させられる。一体、ヤンキーとはどんな存在なのか?

 「最初、ヤンキーの研究をしようとこの世界に飛び込んだんですけど、実は、彼らの好むバイクの車種やこだわりの改造についてよく分かりませんでした。バイクが好きな人は、排気音で車種が分かるらしいので、私はヤンキーの専門家であるとは言えません

 「年数を重ねるうちに、彼・彼女らが建築業に就いたり、夜の仕事を始めたり、主婦になっていったりしました。ヤンキーというのは、彼らの人生のステージ1。その後仕事に就き、家族をつくっていく過程がステージ2です。その過程では、それぞれの地元をめぐって懸命に生きる若者たちの姿がありました。ヤンキーとはそのように地元を中心に生きる若者たちとみています

<以下、【下】へ続く>

 打越正行(うちこし・まさゆき)1979年生まれ。社会学者。2016年、首都大学東京人文科学研究科にて論文博士号(社会学)を取得。現在、特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所・研究員、沖縄国際大学 南島文化研究所・研究支援助手ならびに琉球大学 非常勤講師。

<本稿は『沖縄タイムス+プラス』⇒https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/418736 を転載しました>

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