国の生存権侵害を許すな!まずは「重要土地等調査法案」への抗議を!

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防衛省・自衛隊がワクチン接種を理由に、住民の生活の場に侵入してくる図式も、第32軍の沖縄配備と重なる。ワクチン接種のために、医師のみならず、歯科医師・薬剤師・救急救命士なども「動員」することが検討されているようだが、医師会などの中間組織を使いながら組織動員するやり方は、隣組のネットワークを用いて国家総動員体制を作り上げた戦時中の政府と同じではないか。

看護大学の学生・教員も看護師不足解消のための協力を求められようとしているが、「ひめゆり学徒隊」のように、女学生を従軍看護師として動員した事例と繋げて考えざるを得ない。国は「強制ではない」と言っているが、「ひめゆり学徒隊」・「鉄血勤皇隊」などの学徒隊だって、形式上は「志願制」だったのである。「人々の命のために」「郷土を守るために」国に協力するよう要請され、周囲の友人・先生がそれに応じているのを見れば、自分もその流れに加わらねばならないと思わせられるのは、想像に難くない。

東京都がオリンピック観戦に小中学生ら81万人を事実上「動員」させようとしていると報じられたが、権力側が教育現場に介入し、抵抗できない幼い子どもから「動員」しようとするのは、沖縄戦中の学童疎開を想起させる。

さらに、オリンピックのパブリックビューイング会場設営のため、代々木公園の木々の大量伐採が始まったが、国の天然記念物に指定されていた普天間松並木をはじめ、島中の木々を防空壕建設などのために伐採した第32軍のやり口と繋げるのは、私の考えすぎだろうか。

沖縄では現在、嘉手納基地内にあると思しき汚染源のため、有機フッ素化合物PFOS・PFOAにより取水源が汚染されている問題が、住民生活の脅威となっているが、外務省は「国の安全を害するおそれがある」として日米間の協議内容を開示しなかった。この化合物は発がん性が懸念されているが、住民の生命より優先される「国の安全」とは一体何であろうか。

岸防衛大臣は、5月25日の参院外交防衛委員会で、2012年に陸上自衛隊部隊の米軍基地内への配備・共同使用を検討していたことを認めた。日米安全保障条約に基づく戦後日本の「国体」が、市民の生存権より優先されているのは明らかだ。

これを「戦時体制」と言わずして、何と言うのか。

あまりにも社会問題が多すぎて、右往左往してしまいそうになるが、全て「国による生存権侵害」という根元で繋がっている。この繋がりを見抜けないまま、個別の問題に対する批判・抗議を行っていると、それぞれの運動体が孤立して持続力を削がれることになり、国の思うつぼだ。

「重要土地等調査法案」を廃案に出来るかが、喫緊の分水嶺である。この法案が通ってしまえば、住民生活の場の軍事化が合法化されてしまう。沖縄戦を繰り返さないため、あらゆる手段で抗議の声を上げていきたい。

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