参院選 中村之菊候補の戦い

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中村さんは自衛隊の南西諸島配備にも反対している。

「神道思想家の葦津珍彦氏は、『自衛隊は有事において犠牲的精神で任務を遂行し、国家と市民の信頼を取り持つ意義がある』としています。軍隊や自衛隊という組織が成立するのは、多くの人の理解や信頼関係があってこそ。でも、沖縄の先島諸島に配備を進めている自衛隊は地元住民に対する説明責任も果たさず、弾薬庫までつくってしまった。『建軍の本義』を失った組織が有事に国民や市民を守るとは思えません」

投開票日の7月10日の深夜。開票結果を見守る中村さんは、選挙戦最終盤で起きた安倍晋三元首相の銃撃事件に対する報道への違和感を吐露した。

「メディアは銃撃事件を『民主主義の根幹を揺るがす事件』と盛んに報じていますが、今さら何を言っているんだ、と思います。民意を踏みにじられてきた沖縄にはずっと、民主主義なんてなかったじゃん、というのが私の感想です」

「自民圧勝」となった参院選。沖縄選挙区は「オール沖縄」が推す伊波洋一氏が自公候補を制した。一方、中村さんは東京選挙区で3043票を獲得。「一票一票が重い」と投票してくれた有権者への思いをかみしめた。

「沖縄の人たちが頑張ったのに、東京で結果を出せなかったのは正直つらい。でも、今回の得票は『引き取り運動』の起点になる指標だと考えています。ここからどれだけ賛同者を増やせるか。次につなげたい」

「本土」世論の選択が、沖縄の民意を封じる流れはいつまで続くのだろう。

【本稿はAERAオンライン限定記事を転載しました】

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