米軍は普天間に居座る
政府は、普天間の危険性除去、全面返還のためと称し代執行をもって強引に大浦湾の埋め立て工事に着手した。しかし昨年11月に在沖米軍高官は、辺野古の新基地は“使い勝手が悪い”として移設を「最悪のシナリオ」と呼び、今後とも普天間を使い続けると発言した。驚いた政府が米側に照会すると、移設が唯一の解決策であると約束するという「趣旨の返答」が返されたとのことであるが、右の高官発言を否定したとは報じられていない。“本音”が語られているからであろう。かくして、この発言を通して、米軍が普天間に居座り続けるとの意志が事実上表明されたと言えるであろう。
政権の強引さ
とすれば、辺野古の工事は「唯一の選択肢」どころか、全く何の意味も持たない「無駄で無益な選択肢」そのものである。ところが、「沖縄に全然関心がない」という岸田政権は防衛省関係者さえ拍子抜けするほどに、世論の反発など全く気にせず「強引」に工事を推し進めようとしている。そこには、沖縄側には工事を止める「有効な手立てがない」という開き直りが見られる。何より、どれだけ沖縄が抗議を行っても政権の危機に結びつかないと、高をくくっているのである。
問われる公明党の責任
そうであれば沖縄側には、政権が危機に直面するような闘い方が求められていると言えよう。焦点は、工事を所管する国交大臣を擁する公明党である。「平和の党」を掲げる一方で国交大臣がこの馬鹿げた工事の推進役を担っている、この根本的な矛盾が追及されねばならない。仮に沖縄の怒りが公明党本部に全面的に向けられ、それこそ本部前で抗議集会や座り込みが行われるならば、本土のメディアや世論の状況は一変し、支持母体の創価学会もその立ち位置の再検討を余儀なくされるであろう。政権基盤が流動化している今こそ、沖縄の怒りをもって公明党の基本姿勢を問い詰めていくならば、それは工事を止める最も「有効な手立て」となるであろう。