秋の沖縄県知事選を展望する

この記事の執筆者

 

基地反対の民意がカギ

 

おそらく沖縄県民の多くは、そうした展開を織り込み済みのはずだ。辺野古には基地を造ってほしくない。しかし、「反対」の意思表示をすることに意味はあるのか、という現実的な課題に沖縄県民はすでに直面しているのではないか。

 そんな中、4月に入って翁長知事の膵臓に腫瘍が見つかり、切除手術を受けた。515日に退院し、記者会見した翁長知事は「ステージ2」の膵がんだったと明らかにした。一方で、知事選への対応は明らかにしなかった。

翁長知事が知事選に立候補するかは不透明だが、新基地建設に反対する候補は知事選後にどうやって工事を止めるのか、説得力のある形で有権者に提示する必要がある。

だがそれは容易ではない。ただ、知事に圧倒的な民意の後ろ盾があれば、工事が行き詰まる可能性は依然ある、ということは唱え続けられるべきだろう。

 沖縄防衛局の地質調査で、埋め立て予定海域に多数の軟弱地盤があることが判明した。報告書は「構造物の安定、地盤の圧密沈下、地盤の液状化の詳細検討を行うことが必須」と警告している。国は否定しているが、埋め立て予定海域に活断層が存在する可能性も専門家が指摘している。

翁長知事がこれらを理由に承認撤回すれば、国は少なくとも司法の場で徹底した情報開示や論理的整合を求められる。そうなれば、司法が承認撤回を「無効」と判断したとしても、技術的難度や環境への負荷などが明らかになり、設計変更申請は避けられないだろう。

この記事の執筆者