沖縄ビジネス展望~県内企業の働き方改革~

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働き方改革に取り組んでいる県内企業は約6

 

では、沖縄県内の企業における「働き方改革」の取り組み状況はどうなっているのであろうか。弊社(株式会社海邦総研)において、今年3月に県内企業の「働き方改革」の取り組み状況の把握を目的として調査を実施した。

その結果によると、県内企業の62.4%が「働き方改革」に取り組んでいる、と回答。調査対象が異なるため単純比較はできないが、20173月における調査時よりも「取り組んでいる」との回答(前回54.1%)は、8.3ポイント上昇しており、県内企業において「働き方改革」の必要性は浸透しつつあるといえる。

「働き方改革」に取り組んでいる企業に具体的内容を尋ねたところ、「業務プロセスの見直し」が54.1%(133社)で最も多く、「年休取得の推進」44.3%(109社)、「手当ての増額」33.7%(83社)、「ノー残業デーの徹底」26.4%(65社)となっている。業種別では、旅行・宿泊業、製造業、卸売・小売業が「業務プロセスの見直し」を理由にあげている割合が比較的多い。一方、情報通信業、不動産業等においては「年休取得の推進」との回答割合が比較的多くなっている。

ちなみに、本調査では現在、政府が進めている「働き方改革関連法案」の内容に関連するような項目についても調査を行った。その結果、「同一労働同一賃金」の導入、残業の上限に違反した企業に罰則規定を盛り込むことについては、それぞれ「賛成」が「反対」を上回っている。また、政府が一時検討していた、「裁量労働制」の適用範囲を一部広げる制度変更については「反対」が「賛成」を上回っていた。

ただ、上記の各設問に対して、「どちらともいえない」「わからない」との回答も多く、賛否を明確にした企業が少なかった点には留意が必要であろう。この理由としては、政府が検討している「働き方改革関連法案」について、県内企業が具体的内容を把握しきれていないのではないかと考えられる。

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