9月20日に実施された自民党総裁選挙で安倍晋三首相は三選を果たした。だがそれは、長きに及んだ安倍政権もこれから終幕に向けて走り始めることを意味する。そこに影を落とすのが、こじれきってしまった普天間・辺野古問題である。
安倍首相、本当にそれでいいのですか?
現職の首相に対して「本当にそれでいいのですか?」とは、失礼な問いではないかと思われるかもしれないが、実のところ、本当に心配なのである。とりわけ沖縄との関係で。
9月20日に実施された自民党総裁選挙で、安倍首相は石破茂元幹事長を下して三選を果たした。自民党総裁としてさらに3年の任期を手にしたことで、2021年まで首相をつとめることも可能になった。それが実現すれば憲政史上最長の首相在任となるというのだから、本来であれば歴史的なことであろう。しかし安倍陣営の様子は、お祝いムードとはほど遠いものであった。
国会議員票こそ329対73で石破氏を圧倒したものの(それでも石破氏の得票は予想を大きく上回った)、より国民の声に近いとされる党員・党友票では224対181で、石破氏が事前の予想を超えた健闘を見せた。安倍陣営が徹底した締めつけを展開した上での数字である。安倍首相に対する不満が自民党員の間ですら広がっていることがうかがわれる。
三選を果たした安倍首相は、憲法改正に向けた動きを加速させることを呼号したが、それは政権の前途に対する不安の現れに見えて仕方がない。