沖縄の終わらない旅
選挙結果は、過去最高の39万票という私たちの予想を遥かに超えた結果となり、玉城デニー新沖縄県知事が誕生した。
しかし、新知事の就任後まもなく、那覇市選挙終盤の10月17日、国は私人になりすまし、県による埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法に基づく不服審査を請求し、撤回の効力停止を申し立てた。選挙後、玉城氏が当選しても、政府の対抗措置がされることは予想していた。とはいえ、那覇市長選の投票結果への影響を避けるため選挙中は新基地建設工事を中断することが常とうの手法だったにもかかわらず、そうした前例を破る申し立てに唖然となった。
辺野古の工事を再開した国の決断は、右も、左も関係なく、全沖縄県民を愚弄した行為以外のなにものでもないと再認識させられた。私のような若輩者でも、日本政府の沖縄への扱いが異常であることを、再認識出来たのだから、政府に対し不信を抱く沖縄県民はこれからもっと増えるであろう。
右でも、左でも、宜野湾市民でも、名護市民でも、佐喜真淳氏を支援していても、玉城デニー氏を支援していても、沖縄の海も、空も、土地も、米軍に占領されたこの不条理な島、沖縄に生きる140万あまりの人々の人生の旅路はこれからも苦難が待っている。
選挙中、玉城氏が、アイルランド出身のロックバンド、U2の曲、終わりなき旅(I still haven’t found what I’m looking for) を口ずさみながら、選挙カーに乗り込む映像をみかけた。辺野古新基地に反対する玉城氏を新しいリーダーとして選んだ沖縄の人々の民意を、またも国は蔑ろにしてしまった、そんな日本政府の沖縄に対する扱いに、怒りを感じる人々や、選挙後も、また市民運動のバスに乗り、日常の生活に戻って行くように辺野古で座り込みやカヌー隊として大浦湾の海を守る活動を再開した人々のことを思う時、U2のこの曲のタイトル、「私はまだ私が探しているものを、見つけられていない」という言葉に、いつの日か、沖縄の人びとが自由に、自らの人権と尊厳を大切にする社会、誰一人とり残さない、沖縄らしいやさしい社会の実現に向けて苦難の旅路をしているウチナーンチュ達の姿に重なっているように感じる。
沖縄が沖縄を取り戻すその日まで、ウチナーンチュの一人として、新時代沖縄をつくる担い手として、私たちは、そんな未来のウチナー社会の実現を決して諦めることなく、この旅を続けるだろう。
なぜなら、CHANGE IS COMING OKINAWA! NEVER GIVE UP OKINAWA!!
新時代沖縄の扉は開かれた。あとは日々、一人でも多くのウチナーンチュたちが、一歩でも確実に、それぞれのスピードと場所から新時代沖縄をつくるために前進するのみだ。