新時代沖縄 YES WE CAN OKINAWA

この記事の執筆者

はじみてぃやーたい(初めまして)

現在私は、米国カリフォルニア州、サンタバーバラにある、Pacifica Graduate Institute(パシフィカ大学院大学)の博士課程に在籍している。本大学では、カール•グスタフ•ユングの深層心理学論を元にした社会深層心理学的な視点から、現代社会における、経済的、文化的、政治的、またあるいは人種的、宗教的な差別構造が、マイノリティー、または先住民族の個人や集団の意識と無意識の成り立ちにどのように関係しているのかについて研究している。

本大学で行っている主な研究手法は質的研究論といい、これによって得られる個人や特定の集団の心理現象の質的理解、つまり研究対象者の発話や態度を尊重しながら研究データの質を吟味する。現在、その質的研究の一つの形態である、Autoethnographyエスノグラフィ) を用いて、アメリカ、日本、沖縄の不平等な歴史的な関係性と、長年過重な米軍基地負担を押し付けられてきた沖縄社会に生きる人びとの集団的心理について博士論文研究を行っている。

この質的研究手法は、70年代後半から主に文化人類学や民族学の分野で用いられ、現在では社会学、教育、社会福祉、看護などの分野の研究でも用いられてきている。この研究手法を端的に説明すると、研究者が、研究対象であるコミュニティーの中で体験した物事を書き、執筆を通して自伝的な物語をより広い文化的、政治的、社会的意味と理解に結びつけることにより、研究者である自らを含めた多層に渡るコミュニティーの集団意識の質の分析、また表示をする事が可能になる研究手法だ。

例えば、この手法を用いて、マイノリティーや先住民族出身の社会学者や、また私のような社会心理学専攻の者も含めて、自らのコミュニティーを対象として研究を行っている場合、我々は、自身のコミュニティーの中で体験した物事を書き、執筆を通して、研究者であり、コミュニティーの一員でもある自分自身も含めた研究対象のコミュニティーの集団心理の分析や、個人や集団の心理状態の様子を示す事が可能である。

本文は、この研究手法を用いて、今回の県知事選挙の活動に関わった当事者の一人として、自分自身を含めた玉城デニー陣営若者応援チームメンバーの選挙前、選挙中の集団心理を理解する一助になればと思う。ゆたさるぐとぅうにげーさびら(よろしくお願いします)。

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