一人一人が今すぐ出来る動きを!―遺骨で基地を作るな!緊急アクション!

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そうこうしているうちにも、国は沖縄に対する分断政策を続けた。具志堅氏が強調されてきたように、この問題の本質は「国が圧倒的加害者で、被害者は戦没者・遺族・ウチナーンチュ」のはずである。しかし、具志堅氏らの訴えが、「沖縄県知事が自然公園法第33条2項に基づく土砂採取の中止命令を出す」ことにある以上、表面的には「沖縄県・具志堅氏らが、沖縄県内の鉱山開発業者の私権を制限しようとしている」という沖縄内部の対立の問題にすり替えられてしまう。実際、4月8日の沖縄県議会土木環境委員会での参考人招致で、業者は県知事の「営業妨害」を批判した。国の横暴により、沖縄の共同体が割れていく。その植民地主義的分断政策への怒りは、具志堅氏や、オンライン学習会に登壇した他のウチナーンチュ皆が共有するものだった。

4月16日、沖縄県知事は記者会見で、業者に対し、景観の保護に必要な措置を取るよう求める措置命令を出す方針を表明、中止命令を出さなかった。国が沖縄に分断政策を行っている結果、沖縄県知事ですら、「戦没者の遺骨で基地を作らせない」という、人間として当然の判断を下せなくなっている。そんな政府の蛮行を支えているのは、私たち日本の主権者一人一人だ。

もうこれ以上、私たちは現在沖縄を苛んでいる非人道的な問題に対し、無知・無関心ではいけない。今すぐ自分が出来る行動を起こすべきだ。その思いで、私は現在「遺骨で基地を作るな!緊急アクション!」を呼び掛けている。4月末までに(1) 日本政府・防衛省・沖縄防衛局に、抗議文を送る、(2) 沖縄県知事に対し、後押しのメッセージを送る、(3) 関連するオンライン署名に参加することをはじめ、各個人が今すぐ出来ることの具体例を示し、さらにハッシュタグ「#沖縄戦を埋めるな #遺骨を使った辺野古新基地建設に反対します #dontkilltwice」を用いて拡散することを呼び掛けている。

また、個人が出来ることを私たち呼び掛け人の想像力だけで出し尽くすことは出来ないので、市民の皆様からアイデアを募集随時公開している。この間、具志堅氏と会議・議論をする中で、私が教えられたことの一つが「弱者の連帯」の大切さだ。市民は微力だが無力ではない。むしろ市民は人を虐げる権力を持たないからこそ、人として正しいことは何か見抜き、その実行を権力側に迫る力を持っている。日本政府が分断政策を進めるのなら、市民は繋がり、皆で頭を使い、あの手この手で権力側の横暴を正さなければならない。それが民主主義の実践であるし、人権を第一にする政治を確保するために不可欠な行為だ。その行動を起こせるかどうか、その際に問われるのは日本に暮らす一人一人の人間性だ。どうか一人でも多くの市民の方の協力・情報拡散・アイデア提供をお願いしたい。

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