これから各政党やメディアは参院選の総括をすると思うが、その時、自分たちが沖縄のことをどれくらい考えていたか、反省すべきだと思う。いい加減、日本が沖縄に押しつける犠牲について、沖縄だけでしか議論されない現状を転換する必要があるからだ。「大勝」に驕る政権は、財源を示さない軍事費拡大と憲法改悪論議を加速させると目されている。そうなれば、米軍専用施設のみならず、自衛隊の基地・弾薬庫が押し固められた沖縄が真っ先に犠牲にされる。
既に共謀罪法や重要土地規制法など、市民運動を弾圧する道具は揃っている。政権は安倍元首相暗殺事件を口実に、沖縄県知事選での勝利を狙い、沖縄での反基地闘争への弾圧を一層強めるかも知れない。国の暴挙への抵抗運動を沖縄だけに負わせていれば、本当に沖縄が再び地上戦の戦場にされるかもしれない。
自ら選挙運動に関わって実感したが、今回の参院選では、立憲野党候補の運動をSNS等を介して知り、現場に足を運んで運動に参加する人も多かった。政党や組合の関係者の支援だけに依存せず、候補者が市民と直接繋がった選挙戦を展開できた陣営も少なくないはずだ。選挙戦を通して形成された市民と野党の共闘を、選挙後に発展させ、沖縄に犠牲を強い続ける政治・軍事化を進める政治に抗う草の根の民主主義を活性化させるべきだと思う。
改憲勢力が三分の二を上回った結果は、本当に厳しい。しかし、数字上の勝敗だけに一喜一憂せず、選挙戦を通して獲得できたものに目を向け、崖っぷちの民主主義をどのように生き返らせるか、日本全体で考えるべきだと思う。