琉球弧の島々を戦場にさせない―8月6日、非核・非戦の誓いを込めて

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沖縄県内外、合計200を超える地方議会で遺骨土砂問題反対意見書が上がっていることへの認識を問うても、「承知しておりますが、地方議会における個々の取組について、防衛省としてコメントすることは差し控えます」とした。統一教会問題を巡る官房長官の発言と通じる問題だが、運動する市民としては、コメントを差し控えられては困る。自公維新といった、辺野古新基地建設賛成の政党に属する地方議員すら、遺骨土砂問題意見書には賛成したのだ。憲法第8章が定める地方自治の原則を蹂躙する憲法問題だが、防衛省の担当者はそのことの深刻さすら自覚していない様子だ。「市民や地方議員の声は完全無視する」というのが、防衛相の公式な姿勢のようである。

唯一加えた新情報は、「沖縄県内外、日本国内外問わず、これまで遺族の声を防衛省として聞いたこともなければ、今後聞く予定もない」ということだ。また、赤嶺政賢議員とのやり取りの中で、昨日来た担当者は「沖縄島南部は、本土防衛の持久戦に固執した日本軍が南部に撤退し、住民を大規模に巻き込む地上戦が起こされたからこそ酷い戦場になった」という、沖縄戦の教訓の核心部を個人として認知していないことも明らかになった。赤嶺議員も指摘したとおり、南部戦跡は自衛隊の研修地の一つにもなっている。陸上自衛隊は黎明之塔で未明の集団参拝をしてきた過去(今年は実施されず)もある。それなのに、「沖縄県では、太平洋戦争末期に県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民あわせて20万人もの尊い生命が失われました。特に、本島南部一帯では、多くの住民の方々が犠牲になったものと認識しています」という表面的な文言以上の歴史認識を持とうとしない役人が国防を語るのは、それこそ安全保障上の大問題だ。いつ住民を犠牲にする国策が繰り返されてもおかしくない。防衛省の役人には、昨日のやり取りが、ZoomやYouTubeで世界中の人々、とりわけ遺骨土砂問題最大の当事者である戦没者遺族に見られていたことを自覚して頂きたい。

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