<2017年12月7日午前10時20分ごろ、米軍普天間飛行場から約300メートル離れた沖縄県宜野湾市内にある「普天間バプテスト教会付属緑ケ丘保育園」で、円筒形の物体が屋根に落ちているのを職員が見つけた。落下物は高さ9・5センチ、直径7・5センチ、厚さ8ミリ、重さ213グラム。「ドン」という音に職員や園児が気づいた。沖縄県警は、同園のトタン屋根の上で、落下の衝撃によって生じたとみられる窪みを確認している。一方、米軍はこの物体が米軍ヘリの部品であることを認めたものの、飛行中の機体から落下した可能性は「低い」と説明。その後、園には「自作自演」など誹謗中傷する電話やメールが相次ぐようになった。こうした中、園の父母会メンバーらが園上空の飛行停止などを求める署名活動を展開している。父母会副会長の知念有希子さんに今、感じていることを文章にまとめ、オキロンに寄稿していただいた。ちなみに、タイトルも知念さんに付けていただいたものです>
冬でも島ぞうりで登園。頑張って履かせた靴下もすぐポイッと脱いで、裸足で園庭を走り回る。大きなガジュマルの木の下で、大笑いしながら、しなるブランコを順番に押し合う。暑い日も寒い日も、うんていや登り棒に手を伸ばし、皆で助け合いながら乗れるようになる自転車。手作りのウォータースライダーが出来る夏は、準備されている園庭に皆浮き足だつ。
子どもたちにとって園庭は、部屋の中や家での学びより、心身ともにたくさんのことを学べるキセキの場だと私は思う。キラキラまぶしい、かけがえのない園庭。沖縄県外から10年ぶりに故郷の沖縄に戻り、娘の保育園を探しているときに出会った運命の保育園。それが大好きな緑ヶ丘保育園だ。
雨じゃないものが落ちてきた!
2017年12月7日。もうそれ以前の世界には戻れない日。アメリカ軍のヘリコプターCH53に付属していた部品が、1歳児クラスの部屋の屋根に落下した。
雨じゃないものが落ちてきた。
私はその日、仕事が休みで、ほぼリアルタイムにテレビのニュース速報で知った。
「え?宜野湾市の保育園?緑ヶ丘?」
アナウンサーの声と活字がなぜか他人事のように思えた。
父母会LINEにすぐ情報を流す。皆現在の闘いが始まるなんて思ってもいない。1ヶ月少し前なのにもう数ヶ月前のように感じるのは、それから始まる日々が重い時間だったからなのか。
空から部品が落ちてくるって何?
とにかく、「怪我人は1人もいない」という内容の園メールがすぐに流れてきて、少しだけ安心したのを覚えている。
でも心配で保育園まで向かった。警察、規制線、報道陣。そこはいつもの風景ではなかった。
「大丈夫です、いつも通り過ごしていますので安心して下さい。」
再び流れてきた園メール。先生方を信じて夕方のお迎えまで待った。
急いで迎えに行ったとき、玄関先で娘を見て号泣した。安心もあったけど、普段と全く変わらず過ごしていたことが、先生たちの必死の守りのお陰だと思うと泣けた。
あまりにも号泣したので、子どもたちが私の周りを囲む程だった。とにかく皆無事で良かった、その日はただそれだけだった。