コラム 穀雨南風 ②~深夜特急

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「改定」の気概はあるか

 

そんな彼らが、いざ事が起きたときに異国の裁きの中に放り出されるとしたら、つまり地位協定で守られないとしたら、決してアメリカの田舎を出ようとはしなかっただろう。そうなるとアメリカは海外に派遣する兵士にこと欠いて、自国に引きこもるしかなくなってしまう。かくして地位協定をできるだけ自分たちに有利になる内容にするため、駐留を受け入れる国とせめぎ合いを続けることになる。

アメリカが何らかの形で地位協定を結ぶ国は、100以上にのぼるという。
自分がアメリカ軍の責任者になったつもりで、日本について思いを巡らせてみよう。森友学園の籠池夫妻のケースをみても、日本の司法は野蛮だと思うに違いない。捜査当局のシナリオ通り認めれば出してもらえるが、否認したら初公判までは拘束され続ける。そんな国の司法に、自分の兵士をゆだねるわけにはいかない。それならば、まず刑事裁判権は渡せないとすごんで見せるだろう。さらには他にもあらゆる権利を主張してみるに違いない。手足を縛られる部分は極力、少ない方がいいに決まっているからだ。

しかし、もし日本が全力で抵抗してきたら、妥協して折り合いがつく落としどころを探るしかない。在日米軍基地があるからこそ、アメリカは世界戦略を構想することができる。つまり自国の国益のためにも在日米軍基地は手放したくはないのだから、どうしても譲れないところ以外は妥協するしかないと考えるだろう。
しかしもし、日本の政府と官僚がすこぶる従順で、抵抗する気概もないことを見透かしたらどうだろう。たぶんできるだけの権利を勝ち取り、言葉は悪いけど、やりたい放題やるだろう。本国では出来ない訓練なんかもやってみようと思うに違いない。

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