好奇心ゆさぶる沖縄の痕跡 ~「内なるボーダー」台湾と共通点

この記事の執筆者

「台湾の中の外国」

 

「そんなこと言ったって、遠いから無理」という人もいるだろう。確かに、南方澳は台北からバスで片道1時間半ほどかかる。では、台北近郊のスポットも紹介しておこう。

台湾北部の通称・ミャンマー街で筆者が初めて「水掛け正月」(ソンクラン)を見たのは4月のこと。日本ではタイの行事として有名なこの祭りはミャンマーでも行われており、台湾では、ミャンマー出身者が集まる新北市中和区華新街の恒例イベントとして定着している。

「水掛け正月」では、仏像に聖水を掛けて清める儀式が行われる=2018年4月15日午前、台湾新北市中和区華新街

 

いい具合に写真が撮れたものだから、「1年のけがれを落とすための行事」といった感じの説明を添えてSNSにアップしたところ、知人が「暑さしのぎの祭りかと思いました(汗)」というまじめなコメントを寄せた。

馴染みのない文化に対する知識なんて、だいたいがこんなものである。大抵は誤解をしていて、それが原因でミスってしまい、場合によってはケンカになったりしながら「へー、そうだったんだ」と消化・吸収していくのである。だから、「暑さしのぎ」ぐらいな思い違いは大いに結構ではないか。思いっきり誤解してまずは水掛祭りを見にきてごらんなさい。水の掛け合いを単に楽しんでいるだけにしか見えないような人たちで通りがいっぱいになっている。

「水掛け正月」で、水鉄砲を使って水を掛け合う人たち=2018年4月15日午前、台湾新北市中和区華新街

 

少し大きめのカメラを肩に、勇んで写真を撮りに言ってしまった筆者もおバカさんである。外国人だというだけで目に付くうえに、カメラを持ってウロウロしているのだから余計に目立つ。水鉄砲を持っている子どもたちも、子どもたち同士で水をぶっかけあっている分には可愛いものだし、筆者もそんな光景が撮りたくてソンクランに行ってみたのだが、中には遠くから私を狙い撃ちしてくる不届き者がいるのだ。それでも、カメラにまといついた一年の疫を洗い流してくれてありがとうと言わなければならないのだろうか。あなたならどうします?読者のみなさん!

この記事の執筆者