「市民と野党の共闘」を絶やさないために―「遺骨土砂問題」意見書運動の持つ力

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「市民と野党の共闘」を、単なる「敗北」に終わらせたくない

9月議会までの可決例は市町村議会のものが圧倒的多数だ。しかし、都道府県議会で意見書が可決されると、各政党の都道府県本部から市町村議団へ何らかの働きかけが行われる可能性が高いと聞いたことがある。今後は、都道府県議会での運動も強めたい。

今回の衆院選で、市民派として名高い候補者が少なからず落選したのは本当に痛手だが、そうした候補者にこそ、市民の「強力な助っ人」としてこの運動に加わり、その知識・人脈をフル活用して頂ければ、どれほど心強いことだろうか。

沖縄では、3区・4区でオール沖縄の候補が自民党候補に敗れた。これは軍事植民地経済を押しつけ、沖縄分断政策を進める国政の結果であり、「有権者の多数が新基地建設賛成だ」と結論づける根拠にはならない。しかし、国政側は選挙結果を新基地建設強行の正当化に利用するだろう。

具志堅さんと沖縄で活動している北上田毅さんらからの情報では、防衛局が出した基地建設工事の設計変更承認の申請について、知事は不承認とすることはわかっている一方、不承認理由に沖縄本島南部の土砂利用を遺骨が含まれる可能性があることを入れて欲しいという要請に対する返答は、「審査中」のままだという。北上田さんは、「公益上の観点からの特別な事由の有無」の審査基準に、南部土砂問題が該当し不承認理由に明記するよう主張している。「遺骨土砂問題」意見書可決が広まれば、この主張の説得力は高まるだろう。

「市民と野党の共闘」を、単なる「敗北」に終わらせたくない。むしろ辺野古新基地建設強行という国の横暴を止めるという壮大な目標に向け、地方議会単位での市民自治実践を積み重ねることから、「市民と野党の共闘」への信頼を広げたい。

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