稲嶺進候補「公明党が不気味だ」
辺野古移設反対の稲嶺候補には、選挙事務所のまえで話を聞いた。その時点では接戦なが
ら稲嶺候補がリードしている、というのが地元メディアの見方だった。
Qだいぶ追い上げられているという報道もありますが?
「いや、ただ見えないんでね」
稲嶺候補は少し考えて言った。
「あの、自民党の戦略というのはこれまでもずっと変わらないはずですからね、大体察しがつくんですよ。ただ公明党の動きが我々今見えないので、その辺はちょっと不気味だなという」
Q不気味という?
「感じはしますね。見えないんですよ、本当に」
そう言って、稲嶺候補はかすかに顔をしかめた。
Q公明党の2000票と言われる票は大きいな、と感じますか?
「やっぱり、2000がとられて2000が向こうにいくという話になると、4000は非常に大きいですよね。でもやっぱり、東京での考える公明党、学会というのと、沖縄県民の学会というのは少々違うんじゃないかとボクは思っています。そういう意味で公明党は政治団体ですから、それはしょうがない。でも学会の皆さんというのは、私は違うところもあるんじゃないかな」
Qつまり東京みたいに一枚岩になったら、あっちに全部入れるという風にはならないと?
「ボクはやっぱり良心を信じたいと思ってます。要するにウチナーンチュとして、党員みたいに党則みたいなものでは、すべてはいかないんじゃないかというように思います。それがウチナーンチュとしての良心だと僕は思います。そこを信じたいと思ってますね」
他の地域とは違って、党の決定で縛ることはできない、ひとりひとりの良心を信じたいと、稲嶺候補は繰り返した。事務所を去ったあとも、私の耳には「公明党が不気味だ」という稲嶺さんの言葉が残っていた。