<民意>をどう評価するか
12月14日の土砂投入を受け、全国で30紙以上が社説を掲げた。
また15日朝刊では多くの新聞が複数の面で展開するなど、相当の大きな扱いをしている。在京紙でいえば、「民意は埋め立てられない」(毎日)「民意も海に埋めるのか」(朝日)と、沖縄県民の新基地建設反対の<民意>を顧みない政府の姿勢を批判するものと、「基地被害軽減へ歩み止めるな」(読売)「普天間返還に欠かせない」(産経)と、「唯一の選択肢」論を基調とするものに綺麗に分かれた形だ。なお日経は、1日遅れで16日に「沖縄に理解求める努力を」と、辺野古移設を前提としたうえで政府に日米地位協定改定などを求める内容となっている。
事案が「政治化」することによって、沖縄県外の新聞においても沖縄問題が大きく扱われる紙面傾向は、2007年の教科書検定問題での県民集会以降の特徴だ。さらに翁長知事誕生以降、本土の新聞のなかであえて言えば、政府寄りと沖縄寄りの違いが明確になってきている。
言葉の使い方でいえば、前者の政府批判をした社は、記事でも投入を「強行」と表現する。これはちょうど、昨今の国会運営「強行(的)」と表現することと通じるものがある。
そして、その象徴が先に挙げた、<民意>をどう評価するかという立ち位置の違いになって表れているといえるだろう。