「使えない辺野古」がなぜ「唯一の解決策」なのか

この記事の執筆者

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への代替施設建設に伴う埋め立ての是非をめぐる県民投票で7割超の「反対」の民意が示された後も、政府は普天間の危険性除去には「辺野古が唯一の解決策」と呪文のように繰り返すばかりだ。あらためて問いたい、本当に「辺野古が唯一」なのか―。

「公明、県内陸上案を検討」

201610月、普天間飛行場の移設先に関し、沖縄の地元紙に掲載された記事に注目が集まった。

 「県内陸上案」とは何か。

 「名護市辺野古の埋め立てによる滑走路建設ではなく、キャンプ・シュワブ、ハンセンいずれか」 (20161020日付沖縄タイムス) に代替施設を建設する案だという。

 キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンは、いずれも沖縄本島北部の米海兵隊演習場だ。現計画はキャンプ・シュワブの半島先端部をかすめる形で海域を埋め立てる案だが、「県内陸上案」は埋め立てを伴わない内陸部の既存基地内に造る案である。

 この案を「検討対象の一つ」として論議している、と報じられたのは公明党の「在沖縄米軍基地調査ワーキングチーム」(以後WT)だ。WT166月に発足。きっかけは164月に沖縄県内で起きた元米海兵隊員の米軍属による女性暴行殺人事件だった。

この記事の執筆者