「中道勢力」結集の軸となった県民投票

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ステレオタイプとの闘い

 

2018519日に、県政与党の社民党沖縄県連が県民投票に協力する方針を打ち出したことも、県民投票が沖縄の政界再編の軸になっている証左といえよう。26日には同じく与党の社大党が、31日にも与党の共産党が県民投票への協力を表明した。

こうした動きは県民投票の実現性を高めると同時に、従来の革新勢力が県民投票を主導しているという印象が広まれば、「中道勢力」にオール沖縄同様、革新のレッテル張りがなされるリスクにもつながっている。また、革新勢力を支えてきた反基地運動の担い手である復帰前世代が、県民投票を取り仕切ることになれば、若者世代が新たな運動の実験を行い、経験を積む機会が奪われる可能性もある。

ただし、若者主体で「『辺野古』県民投票の会」が立ち上がり、金秀によるバックアップ体制が整った後で、革新勢力が協力を表明した経緯から考え、その可能性は低いといってよいだろう。現に、同会の事務所では、元山氏らの指示のもとで、キャンプ・シュワブのゲート前で座り込み活動をしている復帰前世代が、ボランティアとして手伝う光景が日常となっているという。

敬老の精神が非常に強い沖縄で、このような珍しい光景が見られるのは、翁長知事がよく言う「あらゆる手段を使」わないと、辺野古移設をめぐる現状を変えられない、という強い危機感が共有されていることの裏返しである。

いずれにせよ、県民投票と政界再編の成否は、外側と内側から革新というステレオタイプを打ち破れるかどうか、にかかっているといえるかもしれない。

 

※県民投票の詳細は「『辺野古』県民投票の会」HP(https://henokokenmintohyo.okinawa/)を参照のこと

 

※本稿は「県民投票と連動?沖縄の政界再編の行方」『WEBRONZA – 朝日新聞社の言論サイト』からの抜粋です

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