県民投票の可能性<上>

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「県民投票の会は真のオール沖縄」

 

県民投票の会顧問の呉屋守将・金秀グループ会長は、同会の活動を「本当の意味でウイングの広いオール沖縄になってきた。そうした大きな分岐点に立つ市民活動」と評価する(724日付琉球新報。以下同じ)。

呉屋会長は、翁長知事を支える「オール沖縄会議」の共同代表だったが、20182月の名護市長選で、オール沖縄候補の稲嶺進市長が負けた責任をとる形で辞任している。同時に呉屋会長は、辺野古移設の賛否を問う県民投票を実施すべきだという自身の考えが、オール沖縄内で議論もせずに却下されたことも辞任の理由に挙げていた。

呉屋会長は、県民投票の意義を「県民の意思を直接問う機会」としている。「知事選や国政選挙を通じて全県民的な民意は表されており、あえてリスクを冒すことはない」という声に対して、「翁長県政の4年間、首長選挙に負け続けてきた」と厳しい目を向ける。オール沖縄の共同代表を辞任することで組織に緊張感を持たせたかった、という呉屋会長の言葉は、オール沖縄がオール沖縄たりえなかった現実を見すえている。

呉屋会長は、「(辺野古移設を)選挙の争点にすることから逃げてきた陣営が、辺野古について暗黙の了解を得たといわんばかりのことを官邸を中心に喧伝する。本当にそうだと思うのであれば、そういう場を設けて県民の総意に耳を傾けるべきだろう」と問いかける。同時に彼は、「推進派が黙って、我々が一方的に票を伸ばして圧倒しても、それで本当に勝利とはいえない」と言う。ここに、オール沖縄会議と県民投票の会の大きな分かれ目がある。

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