「教義に背く」沖縄創価学会員が反旗

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元重鎮のメッセージ

 

この男性は「私見」と断った上で、前回知事選で翁長知事が訴えた「イデオロギーよりアイデインティティー」という旗印に共鳴した人は、学会の中にも多数いたとみる。男性もその一人だ。今回の知事選も前回に続き「オール沖縄」が推す候補に投票する、と打ち明ける。だが「翁長後継」の玉城デニー氏(58)の苦戦は否めないとみる。

「前回選挙で翁長知事に投票した人が佐喜真氏に回ると、前回の倍の票数となって効果が反映されてしまいます」

1998年の知事選以降、全国に先立ち「自公連携」の構築に尽力したのは皮肉にも、当時自民党県連幹事長だった故翁長知事だった。男性によるとこの頃から、学会の座談会などで一般学会員が意見を述べる機会が少なくなったように感じられるという。

「学会員は上の指示に従う集票マシーンになりつつあります。『辺野古』に関して意見を言っても糠に釘。信頼する先輩からもたしなめられ、疎まれる雰囲気があります」

4年前の知事選では、下地幹郎衆院議員(現・日本維新の会)が立候補し、約7万票を獲得した。今回は維新も佐喜真氏支援に回っており、政権幹部は「自民・公明・下地で絶対に勝てる。勝利の方程式だ」と強調している。

こうした中、7万票超ともいわれる公明票の行方が、知事選を左右するのは間違いない。
公明党の「変節」に、かつての重鎮も疑問の声を上げる。

「公明党は、隠していた『辺野古移設賛成』があぶり出された。沖縄創価学会は会員を守りたかったら自主投票にすべきだ」

沖縄県が辺野古埋め立て承認を撤回した翌日の9月1日。SNSでこんなメッセージを流したのは、公明党副委員長などを歴任した元衆院議員の二見伸明氏(83)だ。地元の茨城県から、居ても立ってもいられず発信した。二見氏は言う。

「地元の本音は辺野古反対。知事選でも学会関係者が大挙して沖縄に押し寄せると思うが、そうやって沖縄の選挙に介入するのはもうやめろと言いたい」

二見氏は知事選をこう展望した。

「沖縄県知事選は創価学会次第。前回自主投票だった沖縄の学会員がどう動くかによって、かなり接戦になると思う。沖縄の学会員には、創価学会の原点に立って辺野古の問題を考えてほしい。党本部の言いなりになると子々孫々まで悔いを残すことになる」
【本稿は「週刊アエラ」9月17日号を加筆の上、転載しました】

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