沖縄知事選で見る「若者」

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予想外のデニー氏大勝

 

930日(日)は沖縄県知事選の投開票日だった。前衆議院議員(自由党所属)の玉城デニー氏が史上最多の396632票を獲得し、前宜野湾市長の佐喜真淳氏に約8万票の大差をつけて勝利したことは、正直、予想外の結果だった。選挙報道では接戦で玉城氏がやや優勢とされており、また実のところ、自公両党による佐喜真陣営の圧倒的な動員を見た現場の記者たちや有識者たちは、佐喜真勝利を確信していたからだ。

前日に台風が沖縄一帯を直撃し、翌日まで停電などの深刻な影響が出たにもかかわらず、投票率は63.24%となり前回知事選の64.13%とほぼ同じだった。これは一つには、当日の台風接近を予想して、選挙管理委員会や候補者各陣営がくり返し期日前投票を呼びかけた結果、期日前投票率が35.1%と当日の投票率を上回ったことがある。しかし、やはり8月8日に急逝した翁長雄志前知事の「弔い合戦」に対する、県民の関心が高かったことは無視できないだろう。

 

「若者」とは誰か

 

今回は、普天間飛行場の辺野古移設を進める安倍晋三内閣が支持した佐喜真候補が、早々に自民・公明両党の組織票を固めたといわれ(実際には自公票の23割が玉城候補に流れた)、浮動票が勝敗の鍵を握ると目したメディアは、若者の動向に注目した。佐喜真、玉城両陣営も若者を意識した選挙戦を展開している。

しかし、選挙における「若者」とは、いったい誰なのだろうか。量で見るか質で見るかで、若者の見え方はまったく変わってくるからだ。

量で見た場合、県内の10代と20代の有権者数は約184千人で全体の約15%を占める。ただし昨年の衆院選で1020代の投票率が平均約40%だったことを考えると、知事選で投票した若者は投票者全体の約10%程度だと推定される。1割でも決して小さい数字ではないが、ボリュームゾーンの60代の約半分にすぎない(数字は「選挙ドットコム」より)。

メディアが注目したのはむしろ質の面で、佐喜真・玉城両候補をそれぞれ支援する1020代に関心が集まった。ここでは、当選したデニー陣営の若者の素顔に迫ってみたい。

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