普天間移設22年の定点観測【その3】

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国と県の対立による停滞?

 

2017412日の地元紙は、翁長知事と佐喜真市長のコメントを並べて報じた。「県内移設ありき」の政府の姿勢こそ、普天間返還が実現しない要因だと批判した翁長知事に対し、佐喜真市長は、政府と沖縄県の対峙が返還を停滞させていると述べた。

時流に敏感な佐喜真市長が、沖縄県の対立姿勢に返還未実現の責を負わせたことは、県内世論の微妙な変化を示唆していた。最高裁判決と埋め立て工事開始の影響が出始めた、と見ることもできる。

変化の兆しは、201710月に行われた衆院選にも表れた。「オール沖縄」候補は、県内の4小選挙区のうち3つを制した。しかし、自民党県議時代から翁長知事の盟友だった仲里利信衆院議員が、再選をはたせなかったのだ。

そして、20182月の名護市長選では、翁長知事の盟友である稲嶺市長が、自民党・公明党の支援する渡具知武豊に敗れた。渡具知陣営は選挙戦を通して、停滞というキーワードを駆使し、沖縄県の国への対決姿勢を非難した。佐喜真市長と同じ言葉、同じ論理で、渡具知新市長は勝利を勝ち取ったのである。

 

「負担軽減」されない普天間の現状

 

2018412日の地元紙は、普天間飛行場の現状が「負担軽減」からほど遠い事実をあらためて指摘した。2016年末の名護市安部沖でのオスプレイ墜落・大破、201710月の東村高江での大型輸送ヘリ墜落・炎上、そして、同年12月の宜野湾市の緑ヶ丘保育園や普天間第二小へのヘリ部品落下など、普天間所属機の事故が繰り返されているからだ。

安倍内閣が、かつて仲井眞知事との間で合意した5年以内の普天間運用停止について、翁長知事が辺野古移設に協力しないから実現が難しいという、「責任転嫁」を行っていることも批判された。仲井眞知事が辺野古埋め立て承認の条件の一つとした、5年以内の運用停止は、米海兵隊司令官が公に否定するなど、当初から実現性の低いものだったことは、【その2】で触れた通りである。

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