沖縄をめぐる問題はどのような条件下にあれば動き出すか

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3つの政治過程に共通した面は

 

前回の論考(「沖縄と本土を新たに結びつけるものは」https://okiron.net/politics/490/)で私は、「かつては存在した本土と沖縄における強固な政党間連携も、また同じ日本国民としての共感や連帯も、いまでは弱々しいものになっている」と指摘した。今回はこの問題を「日米関係と沖縄」という観点からいま少し掘り下げて考えてみたい。具体的には、沖縄をめぐる問題はどのような条件下であれば日米間の問題となり、アメリカを動かすことができるのか、ということである。このことを歴史をさかのぼって検討し、現在がどういう状況にあるのかを考えてみたい。

 

まず沖縄をめぐる問題が日米間の大きな問題になったものとしては、少なくとも1950年代の軍用地問題、60年代の沖縄返還問題、そして90年代の米軍基地の整理縮小問題の3つを挙げることができる。これら3つは問題自体も発生した時代状況も異なるが、その政治過程をつぶさに見ると、ある種の共通した面をもっていることがわかる。共通点は大きくいって4つある。

 

まず第1は、沖縄内部でそれが大きな問題となり、沖縄側が問題の解決を本土側に強く求めたということである。すなわち、1950年代は地代の一括払い政策の廃止を強く求め、60年代は日本復帰を強く要求し、さらに90年代は普天間基地の返還を含む基地の整理縮小を強く要請したということである。

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