執筆者 野添 文彬 沖縄国際大学准教授 1984年滋賀県生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。沖縄国際大学法学部地域行政学科准教授。専門は日本外交史。主な著書に『沖縄米軍基地全史』『沖縄返還後の日米安保』、共著に『沖縄と海兵隊』など。 野添 文彬の記事一覧 基地 政治 辺野古新基地「日米共同使用」の歴史的文脈【下】 3.民主党政権下での模索 2008年1月に米国に発足したオバマ政権は、中国の政治的・軍事的・経済的台頭に対抗するべく、アジアへの「リバランス」を宣言する。一方、2009年9月、日本では政権交代によって民主党の鳩山由紀夫 […] 野添 文彬 2021.02.10 基地 政治 辺野古新基地「日米共同使用」の歴史的文脈【上】 はじめに 1月25日、沖縄タイムスと共同通信は、陸上自衛隊と米海兵隊が、普天間飛行場の代替施設として建設中の辺野古新基地に陸上自衛隊の離島防衛部隊である水陸機動団を常駐させることを2015年に極秘に合意していたと報道し […] 野添 文彬 2021.02.09 基地 政治 社会 海兵隊の再編は沖縄に何をもたらすか【下】 「兵力デザイン2030」と海兵沿岸連隊の設置 今年2020年3月、バーガー海兵隊総司令官は、「兵力デザイン2030」という文書を出し、ここで非常にドラスティックな組織の再編案が示された。予算の増加が見込めない中で新たな役 […] 野添 文彬 2020.07.31 基地 政治 社会 海兵隊の再編は沖縄に何をもたらすか【上】 米中対立の激化 米中対立が激化している今日、米軍の中で特に中国に対抗するために急激な変革を進めているのが、海兵隊である。 海兵隊の変革見直しの急先鋒になっているのが、デビッド・バーガー総司令官である。彼は7月の着任直後 […] 野添 文彬 2020.07.30 基地 政治 経済 コロナ危機の今こそ辺野古移設計画の見直しを コロナ危機の最中での設計変更申請 4月21日、日本政府は、普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐって、軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を沖縄県に申請した。新基地建設予定地である辺野古の大浦湾には、66 […] 野添 文彬 2020.04.23 政治 社会 経済 平成の沖縄県知事と米軍基地問題 「平成」の時代が終わり、「令和」の時代が始まろうとしている。本稿では、平成の時代は沖縄にとってどのような時代だったのかを、歴代の県知事の米軍基地問題への取り組みを通して振り返ってみたい。 平成の時代、歴代の沖縄県知事は、 […] 野添 文彬 2019.04.27 基地 政治 社会 沖縄県知事選挙と「若者」世代 翁長雄志知事の死去に伴って9月30日に行われた沖縄県知事選挙では、玉城デニー氏が39万6632票を獲得し、政府・与党が支援する佐喜眞淳氏に約8万票差で圧勝した。玉城氏は、翁長氏の遺志を引き継いで日米両政府が推進する宜野湾 […] 野添 文彬 2018.10.16 基地 政治 社会 翁長雄志沖縄県知事の4年間を振り返る 2018年8月8日、沖縄県知事だった翁長雄志氏は、膵臓がんのため死去した。突然の現職知事の死は、地元沖縄だけでなく日本全国に大きな衝撃を与えた。 翁長氏は知事に就任してから亡くなるまで、その公約である普天間基地の辺野古移 […] 野添 文彬 2018.08.17 基地 政治 社会 ワシントンでの沖縄シンポジウムに参加して【下】 それでは、シンポジウムではどのような成果があっただろうか。第一に、ワシントンという場所で、多くの参加者が集まって沖縄について活発な議論が行われたことは、それ自体、大きな成果だった。[……] 野添 文彬 2018.03.25 基地 政治 社会 ワシントンでの沖縄シンポジウムに参加して【上】 2018年3月11月から16日にかけて、沖縄県の翁長雄志知事は、アメリカの首都ワシントンDCを訪問した(途中サンフランシスコを経由)。普天間基地の名護市辺野古への移設計画に反対する翁長知事にとって、[……] 野添 文彬 2018.03.24 基地 政治 社会 名護市長選挙の20年 1996年末に普天間飛行場の移設先として名護市辺野古が挙げられた後、名護市では代替施設となる海上ヘリ基地の建設の是非を問う市民投票が1997年12月21日に行われた。結果は、[…] 野添 文彬 2018.02.08 基地 政治 社会 普天間基地「返還問題」の起源を探る~その③~ 1980年代に入って普天間基地返還問題が沖縄で政治論点化する中、西銘順治県知事は1985年と1988年に訪米し、米国政府に対し普天間基地返還を直接要請する。今回は、この西銘訪米を検討し、沖縄で求められていたのは何だったの […] 野添 文彬 2017.12.30 基地 政治 社会 普天間基地「返還問題」の起源を探る~その②~ 沖縄戦の最中に建設された普天間基地は、1970年代に入る頃から機能が強化された。今回は、こうした中で、地元で普天間基地返還を求める声が高まっていく過程についてみていきたい。 宜野湾市の普天間基地返還要求 1960 […] 野添 文彬 2017.12.29 基地 政治 社会 普天間基地「返還問題」の起源を探る~その①~ 本稿では、1980年代を中心に、普天間基地返還問題がどのように沖縄において政治論点化していったのかを歴史的に振り返って検討する。これを通して、1996年の日米合意以降に注目しがちな普天間返還問題を相対化し、そもそも沖縄では何が求められてきたのかを考える。[…] 野添 文彬 2017.12.27 基地 政治 社会 2017年総選挙 沖縄での選挙結果から見えてくるもの 10月22日に行われた衆議院総選挙では、自民党と公明党が議席数の三分の二以上を獲得して圧勝した。一方、沖縄の選挙戦は、全国レベルと異なる様相を呈した。宜野湾市にある米海兵隊の普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非が最大 […] 野添 文彬 2017.11.02